そもそも人間は一人では生きていけないのです。人間は身体能力が弱く、自分たちよりも体力的に勝る動物を獲物として捕らえてきました。一人の力では到底無理ですから、集団で力を合わせて大きな動物を捕らえ、それを家族に分配するルールを作りあげたのです。つまり集団生活で生き延びてきたのです。
「同じときに同じものを食べる」ことには、人間同士の心をつなぎ、絆を強める働きがあります。
それに加えて子供にとって食卓は「学びの場」でした。狩猟で食料を得た時代はまさに「食べること=生きること」で、食事は生きる喜びと同時に、生きるためのノウハウを親から子へ語り継ぐ場でもあったようです。
一緒に食べる最大の目的は、家族の一体感を深め確かな信頼関係を築くことです。食卓での話題は子供にとって生命や社会のしくみを学ぶ一番身近な窓口になるのです。そして、その蓄積が他者への思いやりや想像力を育て、集団で生きるための心の基礎をつくります。
家族で食卓を囲むことが難しい時代だからこそ、私たちは「一緒に食べる意味」を根本から見直す必要があるのでしょう。よく噛める健康な歯を育てる食の環境としても、おいしく食事を摂るためにも、家族で食卓を囲む習慣はなくてはならないものなのでしょう。

